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どんぞこ日誌

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同人関連(どんぞこ楽屋) | 旧い雑文   


■2004-08-23

* [雑感] 二週連続で映画館にいくなんて珍しいB!

 というわけで土曜日に「華氏911」みてきました。館内は先週みたスパイダーマン2より平均年齢高し(というかスパイダーマンはカップルしかいなかったの)。ご老人、家族連れなど。でもやっぱり若い人が多かったです。
  で、感想はというと、コミカルで大変面白かったです。おしまい。
  件の映画は「ドキュメンタリーかプロパガンダか」というしょうもない議論もあるそうですが、事実(としての映像)に基づいた上で制作者の主張が入るのは普通なことですし。その辺が抜けていると、例の客観報道信仰でもってルポルタージュを批判しちゃおうとするトンチンカンな話になっちゃうんだろうなあ、と再度思いました。
  「華氏911」はドキュメンタリーである前にちゃんとエンターテイメントしてましたので、映画館まで行って観る私としては、それはそれで十分です。

【これは便利】立場、評価に関係なく感想についてのまとまったリンク集

* [雑感] 二週連続で映画館に……の追記B!

 よく考えたら、上記のように書くと、件の映画がドキュメンタリーであってプロパガンダではないととれてしまうので、追記を。「華氏911」はちゃんとプロパガンダしていました。事実に基づくことと、プロパガンダであることとは矛盾しないわけですが(事実に基づかない場合は、後知恵として笑うことができるので、それはそれで別の意味で良いエンターテイメントになるかもしれませんが)、一応念のため。
  ドキュメンタリーでプロパガンダで、かつエンターテイメントですから、一粒で三度おいしいということですか。

* [雑感] ああっ生神さまっB!

   唐沢氏の華氏911評を読んでみました(ここ経由)。唐沢氏の主張の興味深かった真中あたりを抜粋すると以下のような感じに(間違っているかもしれないので、興味のある方は元の部分でご確認を)。

 希望もなく、自分の存在意義をどこにも確認できない貧困層は、軍隊に入ることで、お金だけでなくアイデンティティや誇りを得る。それなのにムーアとその信者はブッシュ再選を阻止しようとしている。その結果戦場にいく危険がなくなってしまったら彼ら貧困層はどうなるのか(アイデンティティや誇りを得られなくなってしまうではないか)。ムーアやムーア支持の文化人のような強い個性と才能を持ち、国に頼らなくともアイデンティティを確保できる人にはこのことが理解できないのではないか。アメリカの保守的状況の中で敢えてムーアが反戦・反権力を標榜し続けるのは、それを自らのアイデンティティとして位置づけているからだろう。 既に世界中の貧困国は、アメリカが強くなければ自力で生きていくことが出来ない。これはヤクザに犯されてシャブ中にされ、無理矢理情婦にされた女が、そのヤクザに頼らなければ生きていけなくなってしまった状況と同じだ。警察に通報し、そのヤクザが逮捕されたら、正義は達せられても女は今よりさらにみじめな状況に身をおかねばならなくなる。それでもなお自由の身の上がマシだ、という思想を持って世界にメッセージを発しているのがビン・ラディンやマイケル・ムーアだ。ブッシュを落選・暗殺しても世界情勢は改善されない。そのことがわかっていて、ムーアが自らの反権力アイデンティティのために無知な貧困層を焚きつけるのは罪ではないか?

 う〜ん、これはなかなか凄いと思いました。ムーアの怒りは例えば、アメリカのために戦った兵隊に対する今のブッシュ政権の「仕打ち」等にも向いていたようで、映画では傷痍軍人に対する保障の切り捨ての話が出てきます。華氏911全体を通じたムーアの主張は、貧困層が職も誇りも持てないような政策を執るブッシュではだめだということでもあったと思います。で、そういう「誇りもへったくれもなく切り捨てられていく貧困層」という現実もある一方で、「貧困層の誇りを奪うのか!」という趣旨でもって貧困層の代弁を堂々となさる唐沢氏は凄いと思いました。
 「ヤクザに頼らなければ生きていけなくなってしまった状況」から脱することが本当に「みじめ」なのかどうかは、その女性のみぞ知ることで、唐沢氏が決めることではないような気もしますが、情婦の代弁者として「みじめ」であると断言できちゃう唐沢氏は、生き神様のような方かもしれないと思いました。
  ムーアの映画のメッセージは、ブッシュはテロ対策のことも貧困層のことも考えていないし、イラク戦争も無意味だったという、個別具体的な話だと思うのですが、「ムーアのアイデンティティは反戦・反権力」と宣言なさる唐沢氏はやはり神様のような高い視点に立たれていて凄いと思いました。
  アイデンティティ強者がよかれと思ったことが、アイデンティティ弱者を苦しめる場合があるという批判は、一般論として、実に真っ当な、そして往々にして忘れがちであるがゆえに、指摘され続けなければいけない正しい批判だと思います。
  そうであるならば、また逆に、あたかも自分がアイデンティティ弱者の代弁者であるかのような物言いをする人、他人のアイデンティティ形成や境遇をしたり顔で語る人に対して「それは本当に弱者の側からの主張か」、「あなたがその人の境遇をそう判断する根拠はなにか」と、絶えず確認していく必要があるのかなあとも思います。
  そう、例えば、「戦争に反対したら軍隊に入って誇りやアイデンティティを得ている貧困層はどうなるんだ」とか「正義のためにヤクザが逮捕されたら、その情婦がみじめな状況になるぞ」とか、「マイケル・ムーアのアイデンティティは反戦・反権力だ」とか、何の臆面もなく一般化できちゃう人などなどなど…… もちろん、神様なら別です。
  で、ムーアが罪深いかどうかというと……どうでもいいです。ムーアが罪深かろうか何だろうが、面白ければそれでいいです。 もしかしたら、神様には許せないのかもしれませんが、それは立場性や現実感覚を超越できるからであり、常人にはちょっときついですね。っていうか、人間が神様視点で語っても説得力ないし(でも往々にして自分もやってしまう……恥ずかしいことです……)。
  まあ、そんなことはともかくですね、こちらの方の感想がとてもしっくりきたのですよ。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]
_ jjx (■2004-08-25 18:04)

連絡先がわからなかったのでこちらに失礼します.XML::Parser::LiteHeavyをeval内で使用したときにuse strictに引っかかります. おそらく100行目周辺の""内の\$...がevalの中だから\$...が展開されて$...とみなされ実行されてるからだと思います. XML::Parser::Liteではこの問題は起こらなかったように思うので念のため報告させていただきます.

_ まかまか (■2004-08-25 23:07)

jjxさん、ご報告ありがとうございます。<br>試しにeval内で使ってみたのですが、不具合が発見できませんでした。どのようなテストコードで行ったのか、子細をお教え頂けますでしょうか。

_ jjx (■2004-08-26 02:49)

よく調べてみるとeval内という条件はないようです.<br>というか,<br>$ perl -MXML::Parser::LiteHeavy<br>Global symbol "$str" requires explicit package name at (re_eval 6) line 1.<br>Global symbol "$str" requires explicit package name at (re_eval 6) line 1.<br>Compilation failed in regexp at (eval 1) line 1.<br> ...propagated at XML/Parser/LiteHeavy.pm line 142.<br>Compilation failed in require.<br>BEGIN failed--compilation aborted.<br>と,長くなって申し訳ありませんがこのような状態です.<br>こちらの環境は<br>$ perl -v<br>This is perl, v5.8.5 built for i686-linux<br>です. 最後にすばらしいモジュールをありがとうございます. XML::Parser::Liteのハンドラ内で正規表現を使えなかったりすることに躓いていたときの私にとってはまさに救世主でした

_ まかまか (■2004-08-26 22:50)

ありがとうございます。次の日の日記に詳細を書きましたので、参考にしていただければ幸いです。

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